私の住んでいるみやこ町は、福岡県でも指折りの田舎町であり、過疎が現在進行形の町である。
そのため、こうした過疎地にこそ必要な、交通網の整備や企業誘致などをこれまで積極的に行って来たが、こと情報基盤の整備については、取り残された状況にある。
FTTH(家庭向け光ファイバー網)敷設の見込みは全く立っていない状況のようだし、少し山間部に行けば、携帯の電波も届かない。
しかし、そんな他力本願の無いものねだりばかりもしていられない。
今ある環境の中で、実現可能なことをいろいろ模索しながら、それなりのアイデアをひねり出し、工夫していこうじゃないか、と、いろんな方々と、最近、地元の情報化について意見交換する機会が増えて来た。
そんな中、町の取り組みで、あることが実現されていて、とてもうれしかった。
私はノートパソコン1台あれば、ほとんどのデスクワークができる状況にあるので、オフィスよりも環境の整っている町の図書館で、仕事をすることも多い。
図書館の机は、静かで快適だし、手軽に参考書籍が利用できる。
町内に3つある図書館に、自由に使えるWi-Fi(無線LAN)の環境が整ったのだ。
これまでは、図書館に持ち込んだ自分のパソコンでインターネット接続するには、モバイルカードなどを利用しなければならなかったが、そうした機器が不要になり、Wi-Fiの利用できるパソコンならば、電源を入れるだけで、インターネット利用できるようになったのである。
尤も、町内で図書館の営業時間中にパソコンを持ち込んで作業をするような人間は、ごく限られているのだが、できるのとできないのとの差はとても大きい。
Wi-Fiフリーの環境を整えるには、小さな投資でも実現可能である。
しかし小さくとも税金投入だから、利用者が少ないと、なかなか実現しないし、実際、大都市以外はまだまだフリーで利用できる環境を整えている地域は少ない。
しかし、こうした取り組み、サービスが重なることで、じわじわと評価も高まり、ひいては人財誘致にもつながるものと思う。
個人的には、もはや出遅れてしまっている基盤整備に多額の投資で追いつこうとするよりも、次世代の動向をにらみつつ、こうしてできることからコツコツ取り組む方が、ずっと有効であると思う。
ちなみにFTTHは、実際にはさほど普及はしていないのが現状だ。
これは以前、私も月尾嘉男先生に指摘されたことだが、FTTHの「普及」には誤解もある。
よく「都市部で90%以上、全国平均で80%以上」という数値が挙げられるが、これは「利用可能率」を意味する。「普及率」ではない。
家の近くまで光ファイバーが来ている率を表しているのであり、実際の「利用率=普及率」は、20〜30%程度である。
http://ja.wikipedia.org/wiki/FTTH
多額の投資を、20%程度しか使われる可能性のないものには注げないだろうし、その前にやった方がいいことはたくさんある。
「Wi-Fiフリーな田舎町」実現も、まさにそのひとつの方策だろう。
FTTHを使いたい20%程度の住民にとって、こういう方策はとてもうれしい策である。
もちろん「Wi-Fiって何?」という住民の方が、圧倒的に多いのだけれど。
ないものを求めるよりも、まず「絶対に必要」な飢餓状態を生み出すことだと思う。
そのためには、パソコン利用度向上も必要だが、必要な人が使えばいいパソコンよりも、今ならばもはや、スマートフォンや、電子書籍端末の普及促進をする方が有効かもしれない。
図書館で、iPadで本を読めるようにするサービスなど面白いかもしれない。
ソフトの部分での情報リテラシー向上も必要だと思う。
私たちにとって日常的なTwitterも、気持ち悪いと毛嫌いする人の方が多い。
そうしたソーシャルメディアを広めるような取り組みもいいだろう。
いや、一番わかりやすいのは、やはりまだまだデジタルカメラとブログだと思う。
今年も筑後地域の雇用創造事業に、ブログ講座の講師として関わっているが、これまで延べ100名近い方々を指導させていただいた。
そのうち講座後も継続してブログ運営されている方は、おそらく半数にも満たないと思われるが、それでもある特定エリアで、束になって情報発信、情報交流することから生まれるパワーは大きい。
いろんな人に見てほしい、伝えたい、商売につなげたいと言う欲求から、ニーズは生まれてくるものと思う。
町の図書館で、ノートパソコンやiPadなどを片手に、電子書籍を読んだり、ブログを書いたりする人を頻繁に見かけるようになったら、もしかしたらいつの間にやら情報化先進地域になっている、なんてことになっているかもしれない。
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