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ビオトープ・レクチャー

レクチャーの様子去る11月15日(日)、くまわりファームにて、第2回目となる「けいちく里山ビオトープ体験エコツアー」を開催した。

このエコツアーは、ビオトープ整備の簡単な作業体験と、ビオトープに関するミニレクチャーをセットにした企画で、今回は10数名と比較的少人数での開催となった。
レクチャーの講師は、九州工業大学准教授の伊東啓太郎先生。
ランドスケープがご専門で、学校ビオトープ事業や海外との環境教育交流などに多く関わっておられる伊東さんが、くまわりファームの里山ビオトープの取り組みをご覧になり、どんなお話をしてくださるか、とても楽しみだった。

ビオトープ見物9時半、平成筑豊鉄道犀川駅にて伊東先生をお迎えして、まずは何はともあれ、ひとつめのビオトープにご案内した。
すでにくまわりファームの方々は、作業に取りかかっておられたが、私の方は、先生と女性参加者を複数のビオトープの現場見物にご案内することとした。

くまわりファームのビオトープは、現在5ヶ所ほどあるのだが、それぞれ場所が少し離れているので、車で移動しながら、近くに駐車し、さらに休耕田の畦を歩きながらの見物である。
その間、伊東先生とは、先生の仕事のこと、地域や環境の課題、私がなぜこんな取り組みに関わっているのか・・・など、いろんな話をしながら、休耕田(というか、耕作放棄地)を活用したビオトープの現場を紹介して廻った。

ヒラタケこうして歩き回りながら改めて気づくのは、耕されなくなって、荒れてしまった田んぼの多さ。
目の当たりにするその風景は、地域の衰退の断片である。
私たちのこの活動を、みやこ町〜京築地域の活性化に少しでもつなげるようにしたい・・・そんなことを思いながら、小一時間ほど、犀川大熊地区を散策した。

ヒラタケの林作業をやっている皆さんのところに戻ると、すでにほぼ作業は終えられ、この春に伐採木に植え付けたヒラタケが収穫できるとのことで、ビオトープ整備の副産物であるヒラタケをお土産に頂戴することとなった。
菌の植え付けをしたのが3月だから、8ヶ月での初収穫だ。
整備のために伐採した木も無駄にすることなく、循環の中できちんと使っていく・・・そんなことが実感できる体験だ。

さて、いよいよレクチャー開始なのだが、伊東先生は少々面食らわれたようだ。
というのも、この日のレクチャー会場は、くまわりファームの新しく建設された農業倉庫という、異質な講義空間であり、なおかつ聴講する人の大半が作業服を着た農家だからだ。
しかし、くまわりファームの方々は、つい先日も、トキの繁殖を地域再生に活かしている佐渡まで全員で視察に行くなど、ビオトープや景観保全の取り組みには熱心な方々ばかりであり、伊東先生のレクチャーも真剣に聴き入ってらっしゃった。

伊東先生のレクチャー壱岐南小学校の学校ビオトープの紹介、戸畑における公園のリデザインの話、海外での環境教育の話など、小一時間ほどのレクチャーは凝縮された濃厚なレクチャーであった。
その中で、私が特に引っかかったのは、都市における学校ビオトープのことである。

学校には再生された箱庭的なビオトープが出来、子供たちは「生き物が来た!」と喜び、ビオトープで遊ぶようになったが、その学校を取り巻く周辺環境は、日増しに宅地や商業地として開発されていると言う現状・現象である。

先生が語られたその現状・現象は、私にはさらに、都市と田舎の子供たちの環境教育における格差や、前述した田んぼの荒廃(地域の衰退)などの現象とも関連しているように感じてならなかった。

伊東先生が、北九州市などの街の小学校などでレクチャーするなど、街の小学校では環境教育も盛んであり、子供たちも植物や生き物のことをよく学び、知っている。
(もちろん全ての学校や子供たちがそうだとは言わないが・・・。)
そして、くまわり祭などに参加される家族の子供たちも、実に驚くほどに土や水や緑、生き物たちに触れたがる。
普段の生活の周辺にはない、里山の遊び場で、開放されていきいきと遊んでいるのだ。

さて、反面地元田舎の子はどうか?というと・・・、「汚れるから」「危ないから」と、まず親からして消極的だ。
また、自分たちには何の珍しさもない、その辺の川や田んぼに入って遊ぶイベントなどには、これっぽちも関心は示されない。

ちょっと脱線するが、私の実父は木は落ち葉が迷惑だからと植えたがらないし、雑草が大変だから庭はコンクリートで固めたがる。
実弟は、現在東京在住だが、帰省するたびに「ここ(故郷)には何もない」と言う。
身内の話だが、この手の話はどこででもよく聞く話だ。
そして最近の私(ごく近年の私)には、そんな話が地域の衰退とダブって聞こえる。

親がこの田舎の田舎ならではの良さを認識し、子供たちにそれを教えなければ、子供たちは故郷の良さに気づかぬまま大人になり、やがては離れていってしまう。
もしくは、田舎に都市と同じような利便性を求めるがゆえに、むしろ積極的に開発を受け入れたり(例えば大型ショッピングセンターが出来ると喜んだり・・・その結果、地域の流通システムが失われる危険にさらされるのだが・・・)する傾向が強いのが実態だ。

大熊の風景少々ネガティブな書き方になってしまったが、まぁ都市的な利便性は否定するつもりもないが、しかし田舎なりの魅力的な発展の仕方があると思う。
くまわりファームが取り組むビオトープを活用した取り組みも、都市農村交流と言うこと以上に、この地に住む私たち自身が、その環境の良さに気づき、それを大切に保ち、さらに良くしていこうとする活動に他ならない。

私たちは、そのことを自分の子供たちにしっかりと伝導し、子供たちがたとえ学びの時期には都市や海外に出て行ったとしても、そこで得たものをちゃんと地元に持ち帰って、この故郷を生活の場に選んで暮らせるような場所にしていきたい。

そんなことなどを考えながら、犀川駅で伊東先生をお見送りした。

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fukiage 2009年11月26日 08:48

ちょっと考えたことをメモとして追記しておきたい。

それは、地域に住む人々は、「地域は都市への発展途上にある」と考えてはいないか?ということだ。
私はそうではないと考える。
都市は地理的になるべくして都市になっているし、それは自然なことだ。
しかし都市が進んでいて、地域が遅れていると考えるのは、明らかに間違いだ。
いや、むしろ今は、地域の方が未来的な暮らし方が出来るチャンスが高いと考える。
地域が地域の良さに気づき、それを活かして都市とは異なる発展の方向性を見出したら、の話だが。

人間が快適に暮らすのに、地域にも都市にも欠けているものがある。
都市の場合は、公害、渋滞、ゆとり・・・だろうし、地域は交通、医療、芸術文化・・・などが挙げられるか・・・。

地域が都市化を目指した開発ではなく、「人のにぎわい」以上に魅力ある自然環境や地域資源を活かした開発と、先端ITを駆使して情報的にも遅れのない取り組みを行えば・・・私はとても暮らしやすい地域が出来てくるのではないか・・・と考える。

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