最近、時折耳にする言葉に「デジタル・ノマド」という言葉がある。
直訳すると「デジタル遊牧民」とでも訳すのだろうか・・・。
本当の遊牧民のことを指すのではなく、オフィスの狭い環境に留まらず、いろんな場所で自在にITインフラ/機器/ソフトウェアを駆使しながら、働いている人々のことを指す。
佐々木俊尚氏の近著『仕事するのにオフィスはいらない (光文社新書)』では、「ノマドワーキング」として、このデジタルノマドについて、ライフスタイルからデジタルノマドの使用するITツールまで、詳しく紹介されている。
しかしこのデジタルノマド、その言葉こそ用いなかったものの、少なくとも5〜6年以上前から、私などのようなIT系クリエイターの働き方としては、日常的なものだったと思う。
会社組織に属さず、在宅やマンションの一室などの小規模オフィスでITを駆使して自由に働く「SOHO」という働き方が言われるようになって15年ほど。
やがて、インターネットインフラとラップトップPC(ノートパソコン)や携帯電話、PDA機器の普及で、自宅や小規模オフィスにすら留まらなくなって来た。
長いこと使っていたPalmなどのPDAは、当時は有線での同期だったから、完全なデジタルノマドにはなりえなかったが、私の場合は、Nokiaのスマートフォンを使って、メールとWeb、グループウェアをクラウド操作し始めた頃から、本格的に田舎暮らしのデジタルノマド=スローライフハッカーのスタイルが確立したように思う。
そしてそのようなスタイルを決定づけたのは、やはりiPhone 3Gの登場からだろうか。
(もちろんBlackBerryでもGoogle Phoneでもいいが、圧倒的にiPhoneだろう。)
iPhone 3Gはデジタルノマドのライフハックツールとして、決定的に重要な役割を担い、移動中の仕事にラップトップPCを不要なものとした。
先日の京都出張でも、結局1度もラップトップPCを開かなかった。
メールやWebはもちろんのこと、ToDoやスケジュール、プロジェクト管理までが、専用のアプリで完結できるからだ。
しかもインターネットを経由して作業情報はクラウド管理されるから、まさにユビキタス状態で情報を利用でき、オフィスや自宅でゆっくり続きの仕事もできる。
3G接続があることで、無線LAN環境がなくとも、山間地の電波の届かない場所以外では、インターネット接続も困らない。
現状の最大の難点は、電源環境であるが、京都出張の際は新幹線とレンタカーでの移動だったが、最近の新幹線には席にAC電源口があるし、レンタカーはシガーソケットからの電源確保で、バッテリー充電にも全く困らなかった。
周囲に人の気配の全くなかった丹後半島の突端でも、3G電波はバッチリ入ったので、実は写真の場所で野営をしたのだが、月夜に浮かぶ絶景の日本海を眺めながら、一晩中集中して仕事ができた。
何を隠そう、このブログ記事は野営タープの下で書いている。
涼しくなって来たこのところの週末の楽しみは、自宅近くの、母名義の草原での野営なのだけれど、ランタンの灯りだけの、虫の声しか聴こえない静かな空間では、企画仕事に集中するのに、私にとってもってこいなのである。
このように書いても、実際にデジタルノマド的にITを活用できるのは、ごくごく一部の好き者のみである。
便利になったとは言え、インフラ環境はまだ不十分であるし、多くの機器やソフトウェアが必要だし、それを使いこなすノウハウも必要である。
決して困難なものではないけれども、以外とその障壁は大きい。
そもそも使えるようになると、とても便利になると言うこと自体を体感しないことには、先に進まない。
今度久留米にて、SOHO筑後川主催のスキルアップ講座で、そのあたりをテーマとした講座をさせていただくが、できれば地元京築〜みやこ町でも、仕事や生活でのIT活用を広めるための講座や勉強会などを、今後開催する機会を作れれば・・・と思っている。
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